理学療法士と患者

患者は心細い。
身体が痛くてそれをどうにかしてほしくて病院に行く。自分ではどうにもならなかったから。
身体が痛いと心も弱くなる。

そこで一緒に手取り足とり頑張ってくれるPTのことは、やっぱり信じるし、この人と頑張ろう、頑張って良くなろうと思う。

梨子はそれを心の支えにしていた。

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信頼する相手は医師だったりPTだったり、人によって違うかもしれないが、梨子にとって毎週会って身体に触れて痛い話をよく聞いてくれるPTの存在は大きかった。

転院するとき、PTのおじちゃんにもう会えないのが心細くて泣いた。
おじちゃんはティッシュもってきてくれた。

おじちゃん自体は優しかったし好きだった。

おじちゃんは熱心だったし彼なりの最善を尽くしたのだろう。

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でも、最後の方は本当に行き詰まっていたし、なにも進展せず梨子は痛いままなのに同じリハビリを続けていた。

おじちゃんだってこのままじゃダメだってわかってたはず。
リハビリが上手くいっていないなら誰かに相談するとか医師の指示を仰ぐとか、してほしかった。
私はPTの言うこと信じて頑張っているのだから。

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普通の患者は、ここでは駄目だと思ったら先生やPTに何も言わず姿を消すものなのだろうか。
だからそこまで責任を負わなくていいと思っているのだろうか。
自分の手技で良くならないならそれまで、と。

おじちゃんはどう思ってたんだろう...

でも、患者のためを思うなら、自分の手に余るなら誰かに相談したり他に道を作るなりしてほしかった。