神経根ブロックについて

神経根ブロックとは脊髄から分枝した脊髄神経の根元に注射針を刺し、麻酔や炎症止めを注入することで神経根性の痛みを改善させる注射のことである。
レントゲン室で透視しながら行い、神経根が見えるように造影剤を入れた後麻酔を入れる。神経根を造影するので、神経根が何に圧迫されているか確認することも出来る。

ヘルニア等により神経根が圧迫されると神経根性の坐骨神経痛や腰痛が発生するので、その痛みの発生源(神経根)に麻酔を注射することで痛みの改善が期待できる。
医師によっては麻酔を打つ前に神経根に針を刺す事で再現痛を出し、痛みの発生源がその神経根かどうか確かめる場合もある。
また、逆に麻酔を刺した後いつもの疼痛が改善されているかどうかでその神経根性の疼痛か否か確認することもできる。
坐骨神経痛のブロック注射には他にも、仙骨部硬膜外ブロック、腰部硬膜外ブロック、梨状筋ブロック(神経根障害でなく、梨状筋症候群の場合)があるが、神経根ブロックが一番効き目が良く、刺す時は痛いブロックと言われる。

私の場合はじめて神経根ブロックを受けた時、元主治医は神経根に直接針を刺すと物凄く痛いからという理由で神経根の寸前で針を止めて麻酔や炎症止めを注射していた。
元主治医は再現通は出さない派で、痛みが良くなるかどうかでその神経根性の疼痛かどうかを識別するタイプの先生だった。

今面倒を見てくれている主治医は、再現痛を出したい派の先生で、L5とS1の神経根に針を刺したのだがあまり痛くなかった。
主治医は造影もしてるし、針は神経に刺さっているが、再現痛が出ない人も中にはいるとのことだった。

また、神経根ブロックを打った後、いつもの疼痛が消えたとしても、必ずしもその疼痛が神経根によるものだとは言えないと今の主治医は言う。
例えば脚の筋肉そのものに問題があり、筋肉が痛いとして、その筋肉を支配する神経根にブロック注射を打つと効いてしまうのだと言う。
その為、明らかな神経根症状がある場合やMRIやCT、造影の結果など、目に見える判断材料で神経根障害を示すものがないと、神経根ブロックが多少効いたとしてその疼痛が神経根性のものだと断定することは難しいようだ。